6月度広報委員会日記

第55回定時総会

基調報告:会社を救ったのはやはりカリカリ梅だった! ~見方を変えれば今あるものが再生のカギに~

報告者/赤城フーズ(株) 代表取締役社長 遠山昌子氏(群馬同友会 会員)

と き/4月21日(火)  会場/ホテルグランヴェール岐山

 4月21日、ホテルグランヴェール岐山にて第55回定時総会が開催されました。総会後の基調講演では、群馬中小企業家同友会所属、赤城フーズ株式会社代表取締役社長の遠山昌子氏が「会社を救ったのはやはりカリカリ梅だった!~見方を変えれば今あるものが再生のカギに~」をテーマに登壇されました。

 遠山氏は宝塚歌劇団出身という異色の経歴の持ち主です。明治26年創業の老舗漬物メーカーであり、祖父が昭和46年に世界で初めてカリカリ梅を開発・製品化した赤城フーズに、後継者不在を知り自ら手を挙げて2005年に入社しました。しかし当時の赤城フーズは価格競争の荒波に揉まれ赤字体質に陥り、社内のコミュニケーションも希薄な状態でした。経営知識のないままのスタートでしたが、通信制大学で経営を学び、大学卒業後に同友会に入会。同友会で経営指針づくりを学び、経営理念の策定、組織改革、社員教育、財務の見える化など、ひとつひとつの課題に粘り強く向き合ってこられました。2020年にはコロナ禍で主力の直販部門と卸売が相次いで打撃を受け、入社17年で過去最低の売上を記録する危機にも直面しましたが、やれることをやるしかないと新たな販路や商品、SNSと種を撒き続けた結果、2025年には前年比133%の売上を達成するまでに回復されています。

 講演の核心となったのは「付加価値向上」の実践です。かつてカリカリ梅は駄菓子・珍味のイメージが定着し、価格と取引条件だけの営業を余儀なくされていました。しかし遠山氏は、工場での塩分補給という現場の声をヒントに2009年「熱中カリカリ梅」を開発し、熱中症対策という新たな役割を商品に与えました。これにより食品ルート以外の安全用品店という新市場を開拓し、梅業界全体に夏の需要という追い風をもたらしました。さらに「元祖カリカリ梅の開発メーカー」という自社の強みを発信し続けたことで、コラボ依頼や取材が相次ぐようになりました。宝塚の経歴を活かしたブランディングや同業5社との産地連携など、自社が既に持つ資産を組み合わせた多彩な付加価値創造についても紹介されました。

 「自社の持っているものを見つめ直すことで強みが見つかり、その強みを追い続けたことが付加価値になった」という遠山氏の言葉が強く印象に残る基調講演でした。同業他社とも競い合うのではなく、仲間として業界全体を共に盛り上げるという姿勢にも、中小企業経営の本質を見た思いがしました。今回の講演は、自社の強みや付加価値について改めて考えさせられる貴重な機会となりました。

                                 文責 DFL株式会社 伊與田充順

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